2022年の年末からこのアルバムばかり聞いています。
SZA(シーザ)の SOS
最初はApple musicのUSAチャートがこのアルバムの曲で埋め尽くされていて、すごく人気なんだろうなという興味で聞き始めました。
最初は特に感想もなくあっさりと23曲通してきけるので、作業用BGMとしていいなという感じで聞き続けてきました。
実際今でも、作業に集中したいときのBGMとしても重宝しています。
気が付いたら今日までに軽く100回以上はアルバムを通して聴いているとおもいます。
最近一つのアルバムをこんなに聞いたことなかったし、
サブスク全盛期にここまでアルバムの意味を感じさせてくれアルバムってのも珍しい気がする
そしてニュースを見るとアメリカのBillboardアルバムチャートで10回1位をとったとか
すごくロングヒットしてるみたいです。
改めてこのアルバム何がすごいんだろうと思い、
MV含めSZAの過去曲も聞きながら考えてみました。
全く彼女のこと知らないし、流行りのR&Bもよくわかっていないおっさんの所感なので的外れかもしれませんが、
私が思うSZA SOSの凄さは下記のとおりです
・ただのお洒落R&Bじゃない、内向的な世界感やプライベート感がスルメのようにじわじわと人を惹きつける
・アルバム全体に漂う脱力感や諦念漂うサウンドが現代的なクールさを感じさせる
・流行りのサウンドは追いつつもR&Bの枠にはまらない王道サウンド
・HIPHOP、POP、R&Bそれぞれのジャンルの文脈でも語れそうな多面的な曲構成
まず、このアルバムの凄さを象徴しているのが、二曲目の Kill Billでしょう、
アルバムの二曲目っていうと大体リードシングルが位置する場所で、
アルバムの中でも渾身の一曲が配置されるイメージですが、
それにしては地味な曲だというのが最初の感想
HIP HOPの典型的ドラムパターンとシンプルなベースラインが淡々とリズムを刻み
悲しい曲なのか、どういう感情で聞けばいいかもよくわからないし、
特に盛り上がりどころもないし、
でも、あっという間に終わってしまい、何度聞いても飽きない不思議な曲
あと分かりやすい歌詞もじわじわときますね。名曲ってのはこういうものなのかもしれないですね。
次に紹介するのは8曲目のSnooze
youtube でも再生回数多くて、人気の曲?なのかな
というかこの曲あたりまでKill bill的な脱力感たっぷりの曲が続きます。
その中でも脱力感の境地というような曲
シンプルなトラックのなかで、SZAの歌声の良さと心地よさが目立ってますね。
トップシンガーは天に愛された声をもっていると思いますが、
SZAもその一人だなと感じます。今まで知らなかったのはもったいなかったです。
次に紹介するのが14曲目のNobody Gets Me
13曲目のF2Fから、あれ、聞いてるアルバム変わった?というぐらい
王道なロックサウンドのポップソングになるのですが、
この曲もストレートなロックサウンドのポップソングで、すごくストレートに感情を歌い上げています。
それまで、脱力感あふれるクールな世界観の曲が続いていたから、こういうシンプルな曲が心に刺さるというか、SZAも感情をさらけ出しているように感じます。
おじさん世代だと椎名林檎の「ギブス」みたいな感じというか、
日本だとこういう曲が一番売れそう。。。
アルバムの後半はこういう曲も何曲かあるのですが、
よりSZAの内面の深層を見れた感じがするというか、そういう曲たちがこのアルバムの層の厚さの一因になっていると思います。
次に紹介するのは19曲目のShirt
この曲も最初は全く注目していなかったのですが、
やたらと凝ったMVも用意されているし、
改めて聞くと重要な位置にある曲だとおもいました。
14曲目のNobody Gets Meあたりから、一人の女性の独白のようなすごくプライベート感満載な曲が何曲かあるのですが、
この曲は一気にクールに振り切った曲で
HIP HOP系好きの人はこういう彼女の曲を待ってましたという感じなんじゃないかな
ただここで振り切ったあと、その次のOpen Armsでまた”Nobody Gets Me”のような感情を歌い上げる曲にまた振り切るんですよね、その振れ幅が素晴らしい!!
そして最後に紹介する曲、22曲目のGood Days
Positiveなバイブス(雰囲気?)につつまれた曲
この曲は先行して公開されていたようで、ファンの中ではアルバム発売前から有名な曲だったよう。(Youtubeの再生回数もこのアルバムの曲の中では断トツ回っています)
そんな有名な曲が23曲中22曲目に配置されるとかある?
でも、この曲が実質最期にあるのがすごく意味があるというか、ハッピーエンド感があっていいんですよね。
(最近行われているSOSツアーではこの曲がラストソングのようです。)
こういう癒しな曲というかメンタル的にポジティブな感情にさせてくれる曲というのが
彼女の歌の真骨頂なのかもしれません。
いろんな曲を乗り越えてのこの曲というのが染みるんですよね~
そして最後のForgivelessでは再びクールなHIP HOPに戻って、アルバムの一曲目につながると
(永遠のSZA SOS無限ループの完成!!)
ざっと駆け足でSOSについて語りましたが、
近年稀にみるロングヒットしているのも納得なアルバムだと感じました。
日本では、Apple music top100にも入ってなかったり寂しいですが、
日本でも彼女の魅力に気づく人がもっと増えてくれると嬉しいな。